【ディープ・ブルー】ネタバレ感想と考察｜スーザンの存在価値に疑問はあるけどサメ映画としては名作

「ディープ・ブルー」は1999年にサメに襲われる恐怖を描いたSFアクションホラーです。

「サメの映画と言えば」で必ず「ジョーズ」シリーズや「MEG」シリーズとともに名のあがる作品でもあります。

監督は「クリフハンガー」や「ドリヴン」を手掛けたレニー・ハーリン。
細部まで演出が行き届いており、スリルと脅威がしっかりつまった映画に仕上がっています。

海洋研究施設でDNA操作により通常のサメより巨大に、そして人間並みに賢くなってしまったサメに、研究所員が一人ずつ食い殺されていきます。
その食われ方がバリエーション豊富で、最後まで一気見間違いなし。

子供が見ると海が怖くなりそうなトラウマものかもしれません。

サメ映画をチェックするなら必ず通るべき名作です。

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映画【ディープ・ブルー】のクレジット

【ディープ・ブルー】あらすじ

太平洋上の元アメリカ海軍の潜水艦補給所を改造して建設された医学研究施設アクアティカ。そこでアルツハイマー病の研究を行なっていた科学者のスーザンは、施設で飼育されているアオザメの脳細胞を利用したアルツハイマー病の治療薬を開発していた。しかしある時、飼育されていた第一世代のサメ一頭がアクアティカから脱走し、同施設の近くでクルージングを楽しんでいた若者4名を乗せたヨットを襲撃するという事故が発生した。アクアティカの”サメの番人”であるカーターがサメを捕獲し、怪我人も出さずに事態を収拾したが、この事故はメディアで大きく報じられることとなる。アクアティカを所有するキマイラ製薬社長のラッセルはこの事態を重く見て、多額の研究費用の投資差し止めと施設の全面閉鎖とをスーザンに宣告するが、個人的な信念を持っていたスーザンはこれに反発して、研究がほぼ完成段階にある事を証明するために猶予をもらい、ラッセルをアクアティカに招いた。そこには第一世代のつがいと、その二頭の間に生まれた第二世代の雌の三頭が、施設を中心とするチタン合金製の頑丈な金網で囲まれた大型水槽で飼育されていた。

ラッセルがアクアティカを訪れた翌日の夜、最終実験のためにカーターが第二世代のサメに麻酔を掛けて搬送。ラッセルの見守る中、スーザンの全体指揮の下でサメの脳から脳細胞を抽出されプロトタイプの試薬が完成した。早速アルツハイマー患者から摘出した脳で治験を実施したところ、予想以上の脳の活性化に成功する。皆が歓喜に湧く中、ジムがサメを褒めに向かったところ、麻酔が効いて睡眠状態にあったはずのサメが突如動き出し、ジムの右腕を食いちぎった。すぐさまカーターがショットガンでサメを駆除しようとするも、スーザンがこれを制止し、サメを水槽に戻してしまった。サメを逃がすという暴挙に出たスーザンにカーターは怒りを露わにしながら救助ヘリを要請する。

嵐の吹き荒れる中、ジムを担架に載せて、到着した救助ヘリへと引き上げようとするが、担架を吊り上げていたワイヤーの電動ウィンチが突如故障して、急激な逆回転を起こす。ジムは担架に固定されたままサメのいる水中に落ちてしまった。施設の通信室にいた通信係のブレンダはこの様子を見て、直ちにヘリの機体を上昇させて担架を水から引き上げるよう指示を送るが、その最中にサメがジムの担架を咥えてヘリを施設に向けて引きずっていった。為す術のないままヘリは施設に激突し大爆発、通信室も巻き込まれ、ブレンダもろとも吹き飛ばした。その直後、爆発で飛び散ったヘリの残骸が主電源装置に接触し、駐機していたラッセルの飛行機も巻き込みながら爆発炎上し、施設全体のシステムが完全にダウンしてしまった。

未だ状況を把握できずにいるカーターらに追い打ちを掛けるかのように、第二世代のサメがジムを固定した担架を実験室のガラスに勢いよく叩き付けた。ひびの入ったガラスは水圧で瞬く間に割れ、大量の海水が一気に実験室へと流れ込んだ。

フロアを移って辛くも浸水から逃げ延び、状況把握をする中でラッセルがスーザンにサメに何をしたのかを問い詰める。実はサメの脳の大きさはたんぱく質の採集には不十分だった。研究中止を恐れたスーザンがジムと結託して遺伝子操作で脳を大きくし、その影響でサメが人間並み又はそれ以上の知能を得たことが判明する。また、システムダウンにより救難信号さえ出せなくなったアクアティカは海に佇む牢獄と化していた。

引用：Wikipedia

【ディープ・ブルー】ネタバレ感想と考察

1人ずつ食べられる…。バリエーション豊かなサメの捕食シーンの詳細解説

サメ映画といえば1975年からの「ジョーズ」シリーズ。
スピルバーグによる映画がはしりとなり、ハードルの高いジャンルでしたが、本作「ディープ・ブルー」がサメ映画の新たな歴史を作りました。

「ジョーズ」よりさらに進歩したVFXと、想定外の食われ方で驚かせてくれる演出。
特にサミュエル・L・ジャクソン の食べられ方は、その役柄とのギャップもありショッキングです。

バリエーション豊かなサメの捕食パターンを死亡順に紹介します。
ネタバレなので、知りたくない人は読まないようにご注意ください！

ジム（ステラン・スカルスガルド）…一番最初にサメの被害にあう。
麻酔が効いているはずのサメに右腕を食いちぎられ、救助ヘリに引っ張り上げてもらえそうな矢先にヘリが故障、改造サメのいる海へまっさかさま。
そのままサメに加えられ海中の研究所の極厚ガラスにぶつけられる、作品内で一番痛い目に合っているかわいそうな人。悲惨な死に方のお手本。

ラッセル（サミュエル・L・ジャクソン）…サメの番人カーターの雇い主であり、惨事の原因であるスーザンが所属する製薬会社の社長。
冒険家でもあり、過去雪山での遭難時に仲間を食べて生き延びた壮絶な経験を持つ。
サメでパニックになる研究所員たちに、自分の壮絶な経験を語って仲間たちに協力させようとしている最中に水中から突如現れたサメが彼に噛みつき水中へ。
一番生き残りそうなキャストとキャラクターにも関わらず、序盤で、しかもすごく良い話の最中にあっさり食べれられる、意外過ぎる彼の扱いに驚嘆した映画ファンは数知れず。

スコギンズ（マイケル・ラパポート）…始終小心者でおびえている。
中盤まで生き残り、施設外へ脱出するためにシステム修繕を行う必要があり、海水に沈んだ部分へカーターとともに修繕に向かう際、一瞬でサメに体を食いちぎられる。
食い残された手足がビクビクと動いているのが、まあまあグロめ。

ジャニス（ジャクリーン・マッケンジー ）…ジムの恋人。
悲惨な死に方をしたジムを悲しみながらもなんとか終盤まで生き残り、海水の満ちた施設からエレベーターシャフト内に逃げた際、海水に転落。
そのまま沈んでしまったかと思いきや、サメが下半身に食いついた状態で海水から飛び出すシーンはトラウマもの。
恋人に負けじと悲惨な死に方を遂げる。

スーザン （サフロン・バロウズ）…研究所員であり、ラッセルの製薬会社におけるサメを利用したアルツハイマーの治療薬を開発する美しすぎる有能社員、そしてすべての惨事の原因を作った人物。
彼女がサメによる実験を強硬に行おうとしたため、ほとんどの所員がサメに食われ研究所は壊滅。
ムナクソな彼女だが、自分自身がサメに食べられそうな危機を体験して目を覚まし、ラストでは危険なサメを大洋に出さないために自らおとりとなり、サメに食われてしまう。

ちなみに主人公のカーター（トーマス・ジェーン）やプリーチャー（LL・クール）はラストまで生き残るので、サメの捕食に含まれません。

海水にも負けない肉体派トーマス・ジェーンの強さが存分に味わえます。
トーマス・ジェーンの強さを見るならこちらの映画も！

意外な人物が生き残る｜ヒロインはわりとクズ？スーザンの描き方に賛否両論

「ディープ・ブルー」はサメの演出、スリル満点の捕食シーンやその展開、色濃いキャストの描き方など、どれも満足いく映画なのですが…。

ラストまで生き残る人物や展開には「え？その人？？」と言いたくなるはず。

なぜなら、サメの暴走である原因を作ったスーザンがラスト手前まで生き残ります。
そして最後はスーザン自身が犠牲になって仲間を守るんですが、これがあまり納得いく描き方ではありません。

利己的で研究のために「犠牲やむなし」な他人事を貫いていた彼女ですが、改心するまでの様子がイマイチ分かりにくいのです。
恐らくスーザン自身がサメに食べられそうになり、研究データを失ってまで自分の命を守ろうとした自分自身をかえりみて、改心したと思われますが…。

何度か見ていないとスーザンの改心がすんなり腑に落ちる描き方は特になく、1回見ただけでは
「美人の高慢な研究者が生き残って中途半端に正義感発揮して食べられたよね。」
が落ちどころです。

スーザンは劇中でもかなり「クズ」的な描き方なので、彼女がラスト間際まで生き残るには、あまり腑に落ちないストーリー展開です。

そしてさらに不思議なのは、主人公カーター（トーマス・ジェーン）とともに生き残るのが、陽気なコックのプリーチャー（LL・クール）という点です。

プリーチャーは序盤はほぼシーンがないコックで、過去に悪さした経験がありクリスチャンになって改心しており、コックになってからはオウムを友達に船上生活を送る変わり人。

無駄に陽気なノリや、サメに追われてオーブンに逃げ込むあたり随所で死亡フラグが立つ脇役です。
にも関わらず陽気なキャラクターで、お調子者風にサメに食われそうなピンチも乗り込えます。
でもラストに主人公とともに生き残るのは意外過ぎて、多くの映画を観てきた人も「まさか？」と思ってしまうはず。

まとめ｜サメ映画ならではのスリルを味わうなら必見

「ディープ・ブルー」は多少の突っ込みどころはありますが、スリルと展開の良さは際立っていて、「ジョーズ」や「MEG」とともにサメ映画の代名詞と言っても過言ではありません。

一度は通っておくべきサメ映画です！

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