最恐【コンジアム】ネタバレ感想と考察｜バズり狙いの愚かな行動が招く結末を知れ

監督 チョン・ボムシク
脚本 チョン・ボムシク、パク・サンミン
視覚効果　ハン・ムンソン
特殊効果　キム・グァンス
音響　パク・ヨンギ、パク・ジュガン

ウィ・ハジュン（ハジュン役）
パク・ジヒョン（ジヒョン役）
オ・アヨン（アヨン役)
ムン・イェウォン（シャーロット役）
パク・ソンフン（ソンフン役）
ユ・ジェユン（ジェユン役）
イ・スンウク（スンウク役）

【プロローグ】
韓国の最凶心霊スポットと言われる「コンジアム」は、1960年代に開院した当時韓国最大の精神科病院でした。
しかし20年近く経ってから患者の集団自殺や院長の失踪に伴い閉院。
その土地は国家の拷問施設だった、院長か患者を殺した、など様々な噂が流れ、有名な心霊スポットとなりました。
特に402号室は最も呪われており、封印されていると言われていました。
このコンジアムで男子高校生2人組の失踪事件が起きており、そのときの動画が流出していました。
2人は402号室をこじ開けようとしていましたが、そこに卓球玉が跳ねてきて、背後のドアからは何かが覗いている、という映像です。

【前半】
YouTubeチャンネル「ホラータイムズ」の運営者ハジュンはこのコンジアムに潜入するとして、レポーターのスンウク、撮影担当のソンフン、美人のジヒョン、ダンサーのシャーロット、女子大生アヨン、ベテランYouTuberのジェユンの計6名をメンバーとして集め、カフェで打ち合わせを行います。
そこでは「霊が出るときにはピンポン玉の跳ねてくる音が聞こえる」「水が滴る音も」など噂を持ち出して肝試し気分を盛り立てました。

チームとなった7人はボックスワゴンで現場に向かいます。
車の中で402号室の怪談話で盛り上がり、以前女子高生3人が肝試しで402号室に入り、2人は心を病んで自殺、1人は今も昏睡状態、という話から「誰が402号室に入るか」を相談し、結果怖がりのジェユンと冷静なアヨンに決まりました。
また道中には湖で遊んだりして楽しみながら現地近くまで車を乗りつけ、そこからは機材を背負ってコンジアム周辺の森まで歩きました。
森の中で大きなテントとその中に撮影を中継する本部を設営した彼らは、あわせてコンジアム内の複数箇所に定点カメラを設置します。
その後、彼らはラーメンで腹ごしらえをして、パソコンから全員の指揮を執るハジュンをテントに残し、6人がコンジアムに向けて歩き出します。
6人はみな、自分の顔と視線を同時に撮影できるアクションカメラを装着しています。
暗い森の中のため、途中で落ちていた下着らしきものを木の枝に縛り付けて目印にしながら、4階建てのコンジアムの入口に到着しました。

午前0時をまわる頃、6人はコンジアムに足を踏み入れ、動画生中継もスタートします。
入り口の階段を上り2階のロビーに入った彼らは、荒れ果てた様子を中継しながら廊下の奥に進んでいきます。
廊下の先には受付らしきものがあり、シャーロットは金色の器を取り出して、そこに聖堂から持ってきた聖水を注ぎ入れ霊が出現するのを待ちますが、そのときカメラに向かって話しているスンウクの奥で院長室のドアがすごい勢いで閉まりました。
一同は悲鳴を上げ驚きましたが、ゆっくりと院長室に入り、荒れ果てた部屋で院長と患者の集合写真を見つけます。
他にも院長が卓球している写真もあり、「だからピンポン球の話が出ていたのか」と彼らは納得します。
そのときまたどこからか大きな物音がしますが、彼らは落ち着いて院長室をあとにします。
テントにいるハジュンは映像を見え返していると、先程のスンウクの奥にあった院長室のドアは勢いよく開いているのでした。
そこから一同は何名かずつに分かれて病院内を探索することにします。

【中盤】
ジヒョンとシャーロットの女性2人は1階に降ります。
壁には「生きよう」と落書きがありますが、シャーロットはそれをおちょくるように陽気にレポートして、落書きの上から大きく自分の名前をスプレーで書き入れます。
そして2人は実験室に入っていきます。
そこは医療器具と思われるものが散乱し、どれも壊れて床は危ない状態です。
シャーロットは相変わらず陽気にレポートしていましたが、標本の入った瓶を踏んで割ってしまい、中から鶏の死骸が転がり異臭を放ちます。
2人は急に怖くなって、悲鳴を上げて実験室から逃げ出しました。

一方、3階担当になっ怖がりなジェユンと冷静なアヨンのコンビは、幽霊の目撃情報の多いシャワー室へ。
入ってすぐの場補にはビニールカーテンがあり、その奥にはタイル張りでシャワーが並ぶ空間がありましたが、人型の黒いシミがあり、ジェユンはビクビクしながらレポートを行います。
シャワー室の奥には丸い浴槽があり、そこには人の頭のようなものが浮かんでおりジェユンは悲鳴を上げます。
しかしアヨンは冷静にそれを拾い上げ、笑いながらウィッグであることを伝えます。

また視点が変わり、注目の402号室のある4階でスンウクとソンフンに加え、1階でのレポートを終えたジヒョンとシャーロットの2人組が加わり再度レポート。
4階は細長い廊下が続き、その廊下の両側に小さな覗き窓のついた部屋が並んでいて突き当りには402号室がある設計でした。
廊下の両側にある小窓のついた部屋は、まるで囚人を閉じ込めている牢屋が並んでいるようにも感じます。
シャーロットは402号室の呪いについて説明し、我々が初めてこのドアを開けて中を撮影する、とレポートします。
しかし402号室のドアは鉄製でビクともしないうえ、バールを入れられそうな隙間さえありません。
ハジュンが見ているパソコンではその映像が流れていましたが、視聴者数は5万以上になりハジュンは順調な生配信に笑みがこぼれます。

次にコンジアム内の6人全員が2階の廊下に集合し、予定していた院長室での降霊儀式に移ります。
院長室にはすでに式の準備がされており、天井には鈴のついた紐が幾重にも張り巡らされ、いくつものロウソクが灯って魔よけのようなお札も飾ってあり、アヨンが部屋の中心に座り儀式をはじめます。
儀式が終わるとロウソクの炎が急に揺れだし、天井の紐が次々千切れ鈴の音が鳴り響きます。
6人はみなパニックになり院長室を飛び出しますが、ハジュンがレポートを続行するようインカムで指示を出し、スンウクはカメラに向かって今起こっていたことをレポートし、そのときレポートの画面と音声がノイズが交じったように歪みます。
そして、みんなが逃げ出した後の院長室にソンフンとスンウクが戻り、儀式のときの超常現象があらかじめ仕込んであったやらせであったことをハジュンとのインカムで笑い合い、特にシャーロットのおびえ方がよかったので、彼女をさらに怖がらせようと3人は話し合うのでした。

その頃、絶好調で撮影が進み上機嫌なハジュンは一人でテントにいましたが、突然簡易コンロから炎が上がり、テント内のパソコンや照明の電源が急に落ちます。
ハジュンは少し焦りながらもパソコンを復活させ元通り撮影を続けますが、若干の違和感をいただいてました。

その後、再度1階の実験室に今度は6人全員で入ります。
これまでのことをやらせと知っているスンウクは、それを知らずにおびえている4人の前でレポートをするものの、実験室内は割れた鶏の標本のためにまだ悪臭がひどい状況でした。
そのとき、ジヒョンとシャーロットが2人で実験室に入った際は棚にあったはずの人形が、なぜか壁の棚に移動していることを見つけたシャーロット。
途端に恐怖でパニックになるシャーロット、ハジュンはインカムで「あれは写真の中で患者が持っていた人形に違いない」とみんなに伝え、スンウクはその人形を手に取ろうとします。
シャーロットはそれを見て狂ったように人形を取るのを止めようとしますが、スンウクは結局人形を持ち、レポートします。
シャーロットは部屋の外に逃げ出しジヒョンたちがそれを追いかけますが、スンウクはそのまま実験室内でレポートを続け、ハジュンは映像で先程の写真とスンウクの持つ人形を比べて同じものであることを念押しします。
その後いったん映像が途切れると、スンウクやインカムでつながっているハジュンは、やらせであることを理解しているので怖がっているメンバーを笑い合います。

そしてシャーロットは特にスンウクに怒り狂っていましたが結局そのままレポートは続けることになり、ジェユンとアヨンがあらかじめ4階で照明などを準備することにして、次は残り4人で「集団治療室」をレポートすることになります。
その部屋の奥には、小柄な人1人分が入れそうな背丈の木箱がいくつも並び、その木箱にはどれも胸元あたりに窓のような小さな穴が開いています。
スンウクはレポートしながら木箱を開けようとしますが取ってはなく、仕方なく小窓に腕を突っ込んでみたところ、突然箱に倒れ掛かり「腕を引っ張られてる!」と叫びます。
スンウクは腕を引き出すものの、イマイチそれを信じないジヒョンが今度は小窓に腕を突っ込みます。
すると激しい勢いでジヒョンは腕を引っ張りこまれ叫び声を上げます。
腕はなかなか抜けず、周囲のメンバーも必死にジヒョンを引っ張り、やっと引っ張り出すとジヒョンの腕には獣の爪で引き裂いたような数本のひっかき傷がついていました。
それを見てパニックに陥った4人、そのとき急に木箱が勢いよく開きます。
木箱には何もありませんが、凍り付いたように動けない4人…。
そのとき、シャーロットがまいているスカーフが不自然に舞い上がり、明らかに風ではないことを悟っている4人は叫びながら逃げ出しました。
パニックになっている4人は、1階にあったシャーロットが茶化した落書きを見つけますが、なんと「生きよう」が「死のう」に代わっており、シャーロットはさらに大騒ぎします。

【後半】
ジヒョンとシャーロットは「もう帰る」と主張し、それに対してハジュンは無線で何も発さず、2人はコンジアムを出て行ってしまいます。
ソンフンとスンウクは1階に取り残されてしまい、ハジュンにどうするつもりかと無線で問い詰めていると、やっとハジュンが答えます。
電波の調子が悪かったとハジュンは言いますが、実はシャーロットが騒いでいた落書きが本当に変わっているのか映像を見返しており、実際に落書きが変わっていることを確認してショックを受けてすぐに対応できなかったのです。
そこでソンフンとスンウクは、ハジュンに「自分たちの収益取り分を2割増しにしてくれるなら続行する」と言い、ハジュンは心霊現象が間違いないことを認識しているため了承します。

そして次は3階のシャワー室での撮影を指示されたソンフンとスンウクは、撮影中に隣の部屋で大きな物音を聞きます。
ハジュンはすぐ撮影に行けと指示し、隣の部屋に2人が入ると、徐々に部屋の中のものが動き出し、ついには様々なものが2人めがけてポルターガイストのように飛んできます。
スンウクは飛んできたものが頭にヒットして気絶。
ソンフンは必死に彼を起こそうとしますが、何かが彼の足をつかんで部屋の外に引きずり出します。
ソンフンはすぐに起き上がって部屋に入ろうとしますが、彼が部屋に入る直前にすごい勢いでドアが閉まったため激突してそのまま廊下に倒れて気絶してしまいます。

一方、ジヒョンとシャーロットはコンジアムを飛び出した後テントに向かって森の中を進んでいました。
シャーロットは泣きじゃくってなかなか進めませんでしたが、行きで木に縛り付けた目印の下着が見えて、2人は「もうすぐよ!」と走り出します。
しかし、しばらく森を進んだのち、また木に縛り付けられた下着のところに出てしまい、同じところに戻ってきたことに気づいてシャーロットはパニックに。
そしてシャーロットは後ろにいるジヒョンを呼びましたが何も反応がないため振り返ってみると、ジヒョンはシャーロットに背を向け直立不動のままです。
シャーロットは何度か呼びかけますが彼女に反応はなく、恐る恐るジヒョンの肩をたたくと…。
すごい勢いで振り返ったジヒョンの眼は、真っ黒で白目がなく人間とは思えないほど大きく見開かれており、小声で、そして猛烈な早口でシャーロットに向かって何かをつぶやき続けます。
シャーロットは、何かに取り憑かれたジヒョンに悲鳴を上げ逃げようとしますが、そのとき何かがシャーロットの長い髪を引っ張り上げ吊り上げられたような状態になります。
シャーロットの足元ではジヒョンが何かをつぶやいており、髪の毛で吊り下げられているシャーロットはパニックになりますが、そのまま下に落とされ、必死に逃げ出します。
そして森の先にテントを見つけたシャーロットは死に物狂いでテントまで走って中に飛び込みます。

しかしシャーロットがいる場所はテントではなく、コンジアムの中と思われるコンクリートばかりの大きな部屋でした。
部屋の向こう側にはジヒョンが後ろ向きに立っていて、シャーロットは足に何か当たったことに気づき照らしてみると、それは実験室にあったあの人形でした。
恐怖で動けないシャーロットは物音を聞きそちらにライトを向けると、シャーロットからかなり離れた部屋の隅に腹を切り裂かれた人間か人形か分からないナニカが両手を上げたおかしなポーズをで立ち尽くしています。
さらに部屋の中を見渡すと、右奥に頑丈そうな扉が見え、そっと扉まで近づきドアノブをひねろうとしますが扉はびくともしません。
ガチャガチャと扉を開けようとするシャーロットが、先程のナニカに光を再度当ててみると、それは確実に近づいてきています。
焦ってドアを開けようとしますが状況は変わらず、ナニカはさらに近くへ。
ついにはナニカとジヒョンがシャーロットに襲い掛かり、シャーロットは「誰か助けて!!」と泣き叫んでドアをたたきますが、足をつかまれ部屋の奥の暗闇へ引きずり込まれていきます。

その頃、3階で気絶していたソンフンが目を覚まします。
そして402号室を電動のこぎりでこじ開けようとしていたジェユンとアヨンのところへ走って合流したソンフンは、すぐにここから出よう、と2人にたたみかけますが、そこにハジュンからアヨンに携帯で電話が入ります。
ハジュンは「早く402号室をこじ開けて中に入れ」と恫喝しますが、ソンフンはアヨンから携帯を取り上げ今すぐ助けないとスンウクが死ぬぞ!ここから出せ!」と叫びます。
電話を切られたハジュンは「もういい。俺が行く」とカメラを装着し機材を持ってテントを飛び出します。
一方でコンジアムの4階では、ジェユンとアヨン、ソンフンのところに、ひとつのピンポン球が暗闇から跳ねてきます。
ぞっとする3人、そして急に402号室のドアが激しく向こう側からたたかれ、中からシャーロットの叫び声が聞こえます。
シャーロットがテントだと思って入った場所は、なぜか402号室だったのです。
3人は必死にドアを開けようとしますが、シャーロットの悲鳴はひときわ大きくなってから遠ざかっていきました。
そしてゆっくりと402号室の扉が開き3人は部屋の中へ引き込まれます。

402号室の中はシャーロットがいたときの状況とは異なり、足元は水浸し、そしてなぜか天井にも水がはっていて現実世界ではありえない光景に、3人はライトで周囲を照らしながら様子を伺います。
そしてソンフンのカメラ越しには部屋の隅にぼんやりと女の子が映りこんでいますが、カメラ越しでなければ見ることができません。
そのうち不気味な声も響きだしおびえる3人でしたが、ソンフンがふと2人を見ると、ジェユンとアヨンに順番に目隠しするような白い手が一瞬現れては消えます。
ソンフンにもその手が現れ、3人はパニックになりますが部屋を出る方法も分かりません。
そして部屋からはたくさんの患者の声が集まったかのような不気味な響きとなり、ジェユンとアヨンはあの手に目隠しされてしまい、手が離れた2人の眼はジヒョンのように真っ黒になっており、すーっと闇に消えていきます。
残されたソンフンの目の前に、先程カメラに映りこんだ少女が白目で現れ、ソンフンを闇に引きずり込んでいきます。

その頃ハジュンは森の中をコンジアムに向かって進み、近くまで来たところでドローンを飛ばします。
4階の高さまで飛びあがったドローンが捉えた映像は、402号室の中で何かが蠢いている様子です。
それは手を振っている動きにも、足をばたつかせている動きにも見えますが、遠目での映像なので人なのかどうかも見わけがつきません。
そのままコンジアム内に踏み込み、メンバーの名前を大声で呼びますがもちろん反応はありません。
402号室まで来たハジュンですが、そこには腹を切り裂かれたナニカも、水浸しの床も何もありません。
ハジュンは窓際に近づいたとき、少し離れた森の中を見下ろし、そこに自分自身を見つけます。
森にいるハジュンはドローンを飛ばしてこの部屋を外から撮影しようてしています。
そこですべてを悟ったハジュン。
そんな彼の後ろからゆっくりと患者が近づきます。
恐怖で泣きながらもカメラを後ろに向けるハジュンですが、その瞬間高く首を吊り上げられ足をばたつかせます。
ドローンが撮影していた402号室の蠢くものは、ハジュンが足をばたつかせている様子だったのです。
そのまま彼は絶命、その瞬間にドローンは墜落します。

3階で木を失っていたスンウクが目覚めます。
頭から大量に出血している彼は朦朧としながら自分の体を確認すると、車椅子に手足を縛り付けられており、しかもそこは4階の廊下です。
車椅子は4階の奥にある402号室に向かってゆっくりと動き出します。
絶叫するスンウクですが助ける人はいません。
廊下の両側に並ぶ小部屋の窓からは、患者たちがのぞいて4階中が不気味な声に包まれています。
車椅子は段々スピードを上げ猛スピードで廊下の奥に向かって進み、402号室の扉が開いていきます。
スンウクは「助けて!!」と何度も絶叫しながら402号室に車椅子で猛スピードで突っ込み、扉は大きな音を立てて激しく閉まりました。

コンジアムの中には静寂が訪れます。

【プロローグ】
だれもいなくなったテントに設置されているパソコン上には、動画配信サイトでたった500人程度の視聴者であることが表示されています。
そして「LIVE」の文字は光っておらず（つまり、ずっと生配信はされていなかった）いくつかのコメントが入っています。
「中継はやらないの?」「どうせ、やらせだとバレそうになってやめたんでしょ」
そして設置されたトップ画像で画面の両側に座り込んでうつむいている患者の女性がゆっくりと立ち上がっていきます…。