【ジーパーズ・クリーパーズ】ネタバレ感想と考察｜説明されないままのクリーチャー｜でもなぜか面白い

監督 ヴィクター・サルヴァ（英語版）
脚本 ヴィクター・サルヴァ
製作 J・トッド・ハリス（英語版）、バリー・オッパー、トム・ルーズ
製作総指揮 フランシス・フォード・コッポラ
音楽 ベネット・サルヴェイ
撮影 ドン・E・ファンルロイ
編集 エド・マルクス

パトリシア・”トリッシュ”・ジェンナー – ジーナ・フィリップス
ダリウス・”ダリー”・ジェンナー – ジャスティン・ロング
クリーパー- ジョナサン・ブレック
イゼル・ゲイ・ハートマン – パトリシア・ベルチャー
キャット・レディ – アイリーン・ブレナン
デイヴィス・タブス巡査部長 – ブランドン・スミス
ロバート・ギデオン巡査 – ジョン・ベシャラ
ナターシャ・ウェストン巡査 – エイヴィス＝マリー・バーンズ
囚人 – トム・タランティーニ

【前半】
大学生のトリッシュと弟のダリーは、長期休暇で実家に帰省するため田舎のハイウェイを車で走っていました。
トリッシュは彼氏と別れたばかりであれており、ダリーは少しうんざりしながらもそんな姉を気づかいます。
突然後ろからトラックがあおってきてクラクションを鳴らし、ダリーたちの車を抜かして行きました。
トラックに文句を言うトリッシュとダリーはまた運転を続け、1978年にウィートン高校の生徒ケニーとダーラが行方不明になったという都市伝説の話をしたりしながら退屈なハイウェイを進んでいました。
しばらく進んだところで、ハイウェイ沿いの木々が茂った廃墟のような教会の脇で、先程のトラックの運転手が井戸のようなトンネルに大きな何かを投げ込んでいるのが、走る車から見えました。
トリッシュはシーツに包まれていて血がついていたと言いだします。
ゆっくり走りながら運転手を見ているトリッシュとダリーを、運転手もじっと見つめていました。
運転手は汚らしいロングコートを着た大男で、目深に帽子をかぶっており、まるで都市伝説に出てくる連続殺人期の用でした。
恐怖を感じて逃げる2人、するとトラックが追いかけてきてダリーたちの車に体当たりしてきます。
なんとか逃げ切った2人でしたが、ダリーがあのトンネルを調べに行こうと言い出しました。

【中盤】
トリッシュは反対するものの結局廃教会へ戻り、ダリーは滑り台のような形状のトンネルを覗き込みますが、誤って滑り落ちてしまいます。
ダリーはそっとトンネルの底を歩き回ると、すぐそこに先程投げ入れられたシーツに包まれたものが。
ダリーがシーツを開いてみると、なんと瀕死の若い男性でした。
男性はおなかを切り開かれ雑に縫い合わされたような痕があり、何かしゃべろうとしていましたがそのまま死亡してしまいました。
恐怖に襲われるダリーは、トンネルの入り口にいるトリッシュ向かって、警察に連絡するように大声で呼びかけます。
そして出口を探して歩き回るダリーは、次々と恐ろしいものを発見します。
古びたテーブルの上にいくつも放置してある拷問器具や薬のようなもの、裁縫道具、そして地下の壁一面には死体が埋め込まれていました。
その中には都市伝説となっていたケニーとダーラもあり、死体は防腐処理がされていてまるでオブジェの用でした。

トンネルの入り口で待つトリッシュはダリーを心配していましたが、そこにあのトラックが通り過ぎます。
焦っているトリッシュのところにダリーが戻り、2人は車で走りだします。
ダリーはあまりの衝撃に呆然としており、トリッシュは車を飛ばし道沿いにあったレストランで停車します。
そこにトラックが通り過ぎたので、2人はレストランに逃げ込み警察を呼ぶよう店の人にお願いしますが、よそ者の若い2人には、だれも協力してくれません。
そんなとき突然レストランの電話が鳴り、なぜかダリーが店の人に呼ばれます。
ダリーが電話を取ると、女性の声が聞こえ、これまでダリーが見た恐ろしいものなどをすべて言い当てます。
そして曲を流しだし、「あのトラックの運転手は2人を追い続ける。もしこの「ジーパーズ・クリーパーズ」（ジャズの曲）が聞こえてきたらすぐに逃げなさい。ダリーは悪夢よりも恐ろしい目に遭ってしまう」と告げて切れました。

夜になってからレストランに結局警察が来てことの顛末を話しますが、取り合ってもらえません。
警察官は廃教会にも捜査に行ったようですが、ケニーとダーラはとっくに白骨化していると言って笑われます。
そのときレストランの店員がダリーたちを呼び、車が荒らされており、男が車内にあった洗いものを嗅いでいた、と言います。
ダリーは、あの男に名前も住所も知られたと戦慄するのでした。

【後半】
2人はパトカーに前後を守ってもらいながら、車で警察署に向かいます。
そのときパトカーには無線が入り、教会が放火され火事になっていること、ダリーたちの車に残されていた指紋は古くなった人間の皮膚だったと告げます。
警察官に急に緊張感が走ったそのとき「ジーパーズ・クリーパーズ」がカーラジオから流れ出し、その瞬間パトカーの屋根に化け物と化した大男が飛び乗ります。
そして大きな斧で警察官の首をはね、その首はダリーたちの車のボンネットに落ちてきました。
パトカーとダリーたちの車は衝突して停止。
ダリーたちが呆然としていると、パトカーの屋根に乗っていた化け物は「ジーパーズ・クリーパーズ」を口笛で吹きながら歩み寄り警察官の首を拾って、その首にキスします。
ダリーとトリッシュはそれを見て身を震わせますが、よく見ると化け物は警察官の舌を食べていました。
ダリーたちは狂ったように車を発進させ、化け物は警察官の死体を自分のトラックに投げ込み追いかけます。

ダリーたちはしばらく猛スピードで走った後、道端に古い一軒家を見つけ、電話を借りようと考えました。
しかしその家は周囲に気味の悪いカカシがいくつも並び、たくさんの野良猫がそこいら中にいる不気味な家。
扉をたたいたトリッシュを出迎えた高齢の女性もなんだか様子が変です。
そして網戸は開けずに電話はないと言い張ります。
そこで急に家の周りにいた猫たちが騒ぎ出し、カカシに紛れて化け物の姿が見えました。
すると急に女性が豹変し銃を構えて家から飛び出し、化け物に向かって発砲。
化け物は大きくジャンプして家の中に入っていきます。
それを追いかけようとする怒り狂った高齢女性、ダリーとトリッシュは彼女を止めますが、2人を振り払って家の中に入っていきます。
家の中から銃声が響き、化け物が女性の首を持って家から出てきます。

ダリーとトリッシュは急いで車に乗り込み、必死に逃げようとしますが車の前には化け物が楽しんでいるかのようにうろつき道をふさいでいます。
運転しているトリッシュは化け物を轢き、何度も何度もバックしては轢き直します。
化け物は片腕と片足が千切れていました。
その体は鱗に覆われ醜く、指は鉤爪、その体を2人が見つめていると背中から羽が飛び出し羽ばたこうとしてます。
トリッシュはもう一度化け物を車で轢いて逃げ、2人は町の警察署までたどり着きました。

ダリーとトリッシュは実家に電話し状況を説明します。
そのとき警察署に一人の女性が訪れます。
それは、レストランに謎の電話をかけてきたジュゼルという女性で、彼女は夢であの地下にあった死体を見たとダリーに話します。
彼女によると、あの化け物は23年ごとの春に、23日だけ「食べる」とのこと。
化け物が食べた人間は化け物の体の一部となり、体の怪我した部分や不足した部分は食べて補い、恐怖を感じている臭いを嗅ぎつけどこまでも追ってくるのだと言います。

ダリーたちとジュゼルが話している頃、警察署に片足のない化け物が現れます。
化け物は所内の電話も電気も切り、留置所で囚人を貪り食い、警察官を次々と殺していきます。
ダリとトリッシュ、ジュゼルは1階から警察官たちの断末魔が聞こえ逃げようとするものの、警察署のドアは開きません。
ダリーはジュゼルに、夢はどうなるのか、必ずあたるのか、こうなることを知っていたのか、と詰め寄りますが、ジュゼルが答える前に、化け物が3人の前に現れます。
ジュゼルは2人を階上に逃がし化け物と対峙します。
化け物はジュゼルの匂いを嗅ぐものの興味をなくし、階上の2人を追っていきました。
2人は2階で出口になるところはないか探しますが、そこに化け物がやってきて2人それぞれの匂いを嗅ぎます。
そして、化け物はトリッシュを放り捨てダリーに食いつこうとしたとき、警官隊が突入し銃で一斉射撃します。
しかし化け物はひるむ様子はなく、ダリーを連れて飛び立とうとします。
そのときトリッシュが「私の連れて行って!」と化け物に訴えかけますが、結局化け物はダリーを抱えて満月の夜空に羽ばたいて逃げるのでした。

【プロローグ】
翌朝、警察署内で呆然と座り込むトリッシュのもとに両親がやってきます。
トリッシュは警察署の窓から飛んでいるカラスを見上げるのでした。

カラスは廃教会の付近で群れを作っています。
廃教会の地下では「ジーパーズ・クリーパーズ」が流れており、化け物は楽しそうに集めた死体を処理しています。
そこには目がむしり取られた死体が吊り下げられており、その目の穴から化け物の眼がのぞきます。
化け物の眼は、ダリーと同じ眼の色でした。